基本情報技術者講座

★　猫本　11-09　労働・取引関連法規と標準化(その1)　★

基本情報技術者　平成30年度春期　午前問80

労働者派遣法に基づく，派遣先企業と労働者との関係(図の太線部分)はどれか。

解説

(頭の準備体操)

労働者派遣契約：労働者が，派遣元企業との雇用関係とは別に，派遣先企業の指揮命令を受けて仕事を行う契約

(イメージで解く)

よって，ウである。

解答
ウ

基本情報技術者　平成28年度春期　問80改

A社がシステム開発を行うに当たり，外部業者B社を利用する場合の契約に関する記述のうち，適切なものはどれか。

ア	請負契約によるシステム開発では，特に契約に定めない限り，B社が開発したプログラムの著作権はB社に帰属する。
イ	請負契約，派遣契約によらず，いずれの場合のシステム開発でも，B社にはシステムの完成責任がある。
ウ	準委任契約ではB社に成果物の完成責任がないので，A社がB社の従業員に対して直接指揮命令権を行使する。
エ	派遣契約では，開発されたプログラムに重大な欠陥が発生した場合，B社に契約不適合責任がある。

解説

(頭の準備体操)

請負契約：請負企業が発注企業から請け負った仕事を期日までに完成させることを約束し，発注企業がその仕事の成果物に対して対価を支払う契約。請負企業に完成責任がある。

ア	請負契約によるシステム開発では，特に契約に定めない限り，B社が開発したプログラムの著作権はB社に帰属する。(正解)
イ	派遣契約では外部業者B社に完成責任はない。
ウ	準委任契約では，A社は外部業者B社に対し直接指揮命令を行うことはできない。準委任契約：「法律行為でない事務」を委託する契約。(例)講演や研究，宣伝業務など。
エ	派遣契約では外部業者B社に契約不適合責任はない。契約不適合責任：目的物が契約内容に合致しない場合は，請負人が注文者に対して一定期間責任を負う。

解答
ア

基本情報技術者　平成30年度秋期　問80

請負契約を締結していても，労働者派遣とみなされる受託者の行為はどれか。

ア	休暇取得の承認を発注者側の指示に従って行う。
イ	業務の遂行に関する指導や評価を自ら実施する。
ウ	勤務に関する規律や職場秩序の保持を実施する。
エ	発注者の業務上の要請を受託者側の責任者が窓口となって受け付ける。

解説

(頭の準備体操)

・請負契約：受託者が発注者から請け負った仕事を期日までに完成させることを約束し，発注者がその仕事の成果物に対して対価を支払う契約。受託者に完成責任がある。

・偽装請負：書類上(形式的に)，請負契約であるが，実態は労働者派遣であること

請負契約の場合，委託者が，受託者が雇用する労働者に指揮命令を行うことができない。

委託者が，受託者が雇用する労働者に指揮命令を行うと，労働者派遣とみなされる(偽装請負)。

よって，アである。

解答
ア

基本情報技術者　平成29年度秋期　問79

図は，企業と労働者の関係を表している。企業Bと労働者Cの関係を表す記述として正しいものはどれか。

ア	"契約"が請負契約で，企業Aが受託者，企業Bが委託者であるとき，企業Bと労働者Cとの間には，指揮命令関係が生じる。
イ	"契約"が出向にかかわる契約で，企業Aが企業Bに労働者Cを出向させたとき，企業Bと労働者Cとの間には指揮命令関係が生じる。
ウ	"契約"が労働者派遣契約で，企業Aが派遣元，企業Bが派遣先であるとき，企業Bと労働者Cの間にも，雇用関係が生じる。
エ	"契約"が労働者派遣契約で，企業Aが派遣元，企業Bが派遣先であるとき，企業Bに労働者Cが出向しているといえる。

解説

(頭の準備体操)

・労働者派遣契約：労働者が，派遣元との雇用関係とは別に，派遣先の指揮命令を受けて仕事を行う契約。指揮命令関係(派遣先－労働者)

・出向にかかわる契約：自社の労働者を子会社や関連会社などの出向先に異動させる契約。指揮命令関係(出向先－労働者)

ア	"契約"が請負契約で，企業Aが受託者，企業Bが委託者であるとき，企業Bと労働者Cとの間には，指揮命令関係が生じない。(企業Aと労働者Cとの間には，指揮命令関係がある)
イ	"契約"が出向にかかわる契約で，企業Aが企業Bに労働者Cを出向させたとき，企業Bと労働者Cとの間には指揮命令関係が生じる。(正解)
ウ	"契約"が労働者派遣契約で，企業Aが派遣元，企業Bが派遣先であるとき，企業Bと労働者Cの間には，雇用関係が生じない。(企業Aと労働者Cの間には，雇用関係がある)
エ	"契約"が労働者派遣契約で，企業Aが派遣元，企業Bが派遣先であるとき，企業Bに労働者Cが派遣されているといえる。

解答
イ